食物繊維
きのこには食物繊維が豊富に含まれています。
水溶性食物繊維も不溶性食物繊維もどちらも体内には吸収されませんが、健康のためには大切な役割をはたしており、第六の栄養素ともいわれ近年重要視されています。
きのこのβ–グルカンは、不溶性食物繊維の一種で、血中のコレステロール値を下げる働きがあります。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して余分なものをからめとり、体外に排出され、便秘解消に有効だとされています。水溶性食物繊維は粘り気が強く、ゆっくりと消化されるため、血糖値の急激な上昇が抑えられます。
きのこの食物繊維は腸内に存在する異物などの体内の不要物質を排除して、腸内環境を整える働きがあります。
特に不溶性食物繊維は便のかさを増やし大腸を刺激して排便をうながします。そのため便秘の解消に効果を期待できます。
β–グルカン
また、β–グルカンは消化されることなく腸まで届くため、コレステロールを吸着して体外へ排泄する働きがあります。その結果、体内のコレステロール値上昇を抑える効果があります。
β–グルカンを含む食品はきのこ以外に大麦などですが、効率的に摂取するにはきのこが最善です。
きのこのβ–グルカンは免疫力を高め、ウイルスや細菌に対する抵抗力を高めます。
免疫力が低いと、体外から入ってくるウイルスに対抗することができず、風邪やインフルエンザ、生活習慣病を引き起こし、病気を長引かせます。
また、きのこの食物繊維は胃で消化されずに腸の腸内細菌へととどけられます。水溶性食物繊維は腸内細菌のえさになり、腸内細菌と反応し合って免疫力が活性化します。
このように、きのこは免疫に働きかけるので風邪などの予防や、アレルギー症状を予防・改善する効果も期待されています。
カリウム
きのこに含まれるカリウムは必要量摂ることによりナトリウムの排出を手助けし、高血圧になるリスクを軽減する効果があります。
カリウムは主に細胞内液に存在し、血圧を調節したり、細胞の代謝や神経・筋肉の働きに関わったりする重要な栄養素です。減塩が求められる私たちがつとめて摂りたい栄養素です。
きのこに含まれるカリウムは体内の塩分を排出するミネラルです。
高血圧を防ぐためには塩分の摂取を減らすことが大切ですが、食習慣もありなかなか実行できません。
偏った食事をすることによりナトリウムの摂取量のみが過剰になってしまっても摂取されたカリウムは腎臓でナトリウムの再吸収を抑制して尿の中への排泄を促進させるため血圧を下げる効果があるのです。
低カロリー
カロリーは栄養素ではありませんが、現代の私たちにとても関心のある要素です。
きのこのカロリーはどの種類も低く、100gあたり20㎉前後となっており、ダイエットしたい方に最適です。
その上きのこにはグアニル酸やグルタミン酸をはじめ、どの種類のきのこにもうま味成分が含まれています。独特の歯ごたえもあいまって料理に加えれば低カロリーで満腹感のある料理ができます。
低カロリーのきのこを食品の素材に加えることにより食事全体のカロリーを抑えることができます。
また、きのこ自体にうま味と香味がありますので、料理の量を増やしつつ味わいもよくなり満足感のある料理となり食べ過ぎを防ぎます。